空気嚥下症
【空気嚥下症とは】
空気嚥下症(呑気症)とは、空気を過剰に飲み込むことで胃腸内にガスが過剰に貯留し、腹部膨満・腹部膨隆、繰り返す噯気(げっぷやおくび)、放屁増加、腹痛などをきたす機能性疾患です。
【頻度】
アメリカの報告では7.5%、重症心身障害児などで多くみられる傾向がありますが、健常児も認めます。
【病態生理】
空気の嚥下によって空気が食道内に入り、上部食道括約筋(UES)が弛緩して空気が食道に流入した後、食道蠕動によって空気が食道を通過するのに伴い下部食道括約筋(LES)が弛緩し、空気が胃に入ります。これに対して胃げっぷではLESの一過性弛緩が先行して胃から食道へ空気が逆流し、上部食道げっぷでは吸引法または注入法によりUES弛緩が先行して食道内に空気が流入する点が異なります。
【診断基準】
ここではRome IVの診断基準を示します。
- 過剰な空気嚥下
- 日中に増加する消化管ガスによる腹部膨満
- 反復性の噯気(げっぷやおくび)や放屁の増加
- 適切な医学的評価を行っても、他の疾患では説明できない症状である
*上記全てを満たし、診断前の少なくとも2ヶ月以上基準をみたすこと
【治療】
- 行動修正が基本治療:喫煙、ガム噛み、早食い・炭酸飲料摂取の中止、ストローの使用回避などにより空気嚥下を減らす。
- ジメチコン/シメチコン(ガスコン)の試用が有効なこともあります。
- 便秘を伴う場合は緩下剤を使用します。
- 急性・重症発作(腹圧上昇による危険な状態)で鼻胃管による排気、ロラゼパム(催眠鎮静剤/抗不安剤:ワイパックス)などの鎮静薬が有効な時もあります。
- バクロフェン(鎮痙剤:ギャバロン)も試用されることがあります。
【鑑別診断】
胃不全麻痺、慢性特発性偽性腸閉塞症のような他の消化管運動障害、腸内細菌異常増殖症、乳糖不耐症など二糖類分解酵素欠損による吸収不全症候群などがあります。










