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診療案内 大腸菌による胃腸炎

【大腸菌による感染症】

大腸菌には常在菌、腸管病原性大腸菌(下痢性大腸菌)と腸管外病原性大腸菌の3醜類があります。腸管に常在している大腸菌は我々の消化、吸収、ビタミンの合成、病原性微生物の侵入からの防御などに働いています。

腸管病原性大腸菌と言えば皆さんは0157を思い浮かべるのではないでしょうか?ここでは0157を含めた腸管病原性大腸菌について書かせて頂きます。

ちなみに大腸菌は約180種類のO抗原(細胞壁)、約100種類のK抗原(莢膜)、56種類のH抗原(鞭毛)で分類されており、通常、O抗原とH抗原の組み合わせで表現されます。

 

【腸管病原性大腸菌】

腸管病原性大腸菌には下記の少なくとも5種類(分散接着性大腸菌をいれて6種類とすることもあります)が知られています。

  1. 志賀毒素産生性大腸菌或いは腸管出血性大腸菌(Shiga toxin-producing E coli; STEC或いはEnterohemorrhageic E coli; EHEC)
  2. 腸管病原性大腸菌(Enteropathogenic E coli; EPEC)
  3. 腸管毒素原性大腸菌(Enterotoxigenic E coli; ETEC)
  4. 腸管侵入性大腸菌(Enteroinvasive E coli; EIEC)
  5. 腸管凝集性付着性大腸菌(Enteroaggregative E coli; EAEC)
  6. 分散接着性大腸菌(Diffusely adherent E coli; DAEC)

 

【潜伏期】

ほとんどの場合10時間〜6日間ですがO157では3〜4日間です。

 

【感染源】

牛を含めたいくつかの家畜や動物が保菌動物です。腸管内にいますので家畜の解体作業の際に肉に汚染します。また家畜の糞便中にもでますので、それに汚染された野菜類や水も感染源になります。

肉は表面を十分加熱することで感染を防ぐことができますが、ハンバーガーなどのひく肉になってしまうとどこが表面なのかわかりませんので中まで十分に火を通すことが重要です。ちなみにアメリカで一番はじめに0157感染症が問題になったのはハンバーガーショップでの集団感染でした。

 

【症状】

①志賀毒素産生性大腸菌(腸管出血性大腸菌)

O157を代表とするこのタイプは連続する2つの病状から成り立ちます。
まず、大腸菌が消化管粘膜に付着し分泌性の下痢を起こします。続いて志賀毒素を産生してこれにより出血性腸炎に進行します。さらに進行すると溶血性尿毒症性症候群(Hemolytic Uremic Syndrome; HUS)に進展することもあります。これに関しては後ほど説明します。

一番多いのはO157ですが次いでO26、O111、O121と続きます。
合併症を伴わなければ通常5〜10日で寛解します。

 

②腸管病原性大腸菌(Enteropathogenic E coli; EPEC)

小腸に定着して1〜2日でしばしば腸管での水分・電解質の吸収不全を起こします。粘液を伴う大量水様性の下痢が出ますが、血便にはなりません。腹痛、嘔吐、微熱を伴うこともありますが、通常2〜3日で軽快します。数週間と長期になることもあります。

 

③腸管毒素原性大腸菌(Enterotoxigenic E coli; ETEC)

小腸粘膜に定着し毒素を産生することにより、腸管からの水分や電解質の吸収を妨げ、急激な非粘液性の水様性の下痢、腹痛、嘔吐をきたします。通常は3〜5日で軽快します。

 

④腸管侵入性大腸菌(Enteroinvasive E coli; EIEC)

腸管粘膜上皮男の中に細菌が侵入して炎症性の大腸炎を起こします。1〜3日の潜伏期を経て赤痢の様な症状を呈します。つまり、発熱、腹痛、水様性下痢で始まり、血便、膿性粘液性の血便を来たし、いわゆる、しぶり腹となります。軽快には少し長く、7〜10日かかります。

 

⑤腸管凝集性付着性大腸菌(Enteroaggregative E coli; EAEC)

腸粘膜に付着して凝集し毒素を産生します。長期にわたる(14日を越える)水様性の下痢、腹痛、脱水を特徴とします。発展と樹国の小児の遷延性の下痢、慢性栄養失調症の原因となっています。

特徴を表にしました。

 

【検査】

腸管出血性大腸菌と腸管侵入性大腸菌による腸炎は炎症性のものであり、その他のものは非炎症性の腸炎です。
血便を見たら炎症性腸炎である大腸菌による腸炎を考えます。

いずれも便培養をしますが、腸管出血性大腸菌のなかで志賀毒素産生性のものが検出されると医師から保健所への報告が必要になります。保健所からはご家族に連絡がありご家族皆さんの便検査となることが多いです。

 

【治療】

通常は対処療法となります。
日本では志賀毒素産生性大腸菌の初期にホスホマイシンを大量に投与することも考慮されていますが、海外では推奨されていません。
下痢は悪いものを体外に排出使用とする性大半のです。抗生剤を投与すると細菌の排泄が遅れる可能性があるからです。通常は脱水に対する

 

【予防】

腸管出血性大腸菌はO血清型に関係なく熱に弱く75℃、1分以上の加熱で死滅しますので、十分な加熱、手洗い、焼き肉屋さんではトングの使用が勧められます。

 

【合併症】

志賀毒素産生性大腸菌の合併症である溶血性尿毒症性症候群について述べます。
少し難しいですが微小血管性溶血性貧血、血小板減少症、および急性腎不全の3徴候を伴う病態です。

主に小児で発生する合併症であり成人ではまれです。腸管出血性大腸菌感染症の1〜10%程度に発生します。

下痢が始まって2週間以内に出現しますが4〜10日前後が多いです。
下痢が良くなってきたのにもかかわらず、元気がない、おしっこの量が少ない、むくみがある、あざができる、頭痛、眠くなる、不穏、痙攣、血尿、たんぱく尿などがあれば要注意です。
患者さんの1/4〜1/3に何らかの中枢神経症状を認めます。

治療は

  1. 脱水やむくみに対する輸液
  2. 腎不全に対しての透析
  3. 貧血、血小板減少に対しての輸血
  4. 腎不全に伴う高血圧の治療
  5. 中枢神経症状に対する治療

などを行います。

多くの方はこれらの治療により治癒しますが、2〜5%の方が死亡します。

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