機能性悪心・機能性嘔吐
【機能性悪心・機能性嘔吐とは】
反復する悪心・嘔吐が主症状で他の機能性消化器疾患(FGIDs)を含めた他の疾患では説明できないものと定義されています。
【病態】
疾患概念が未確立のため慎重な鑑別診断が必要になります。警告徴候(体重減少、消化管出血、夜間覚醒する症状、腹部腫瘤、家族歴陽性など)がなければ侵襲的検査を最小限にとどめ、症状パターンに基づく診断が可能と言われています。小児においてはしばしば起立性調節障害や自律神経機能異常、心理社会的苦痛と関連することが指摘されています。
【診断】
ここではRome IVの診断基準を示します。
機能性悪心
- 煩わしい悪心が主症状であり、週2回以上認められ、食事とは関連がない
- 嘔吐がない
- 適切な医学的評価によっても、他の疾患では説明できない症状である
*上記の全てを満たし、診断前の少なくとも2ヶ月以上基準を満たすこと
機能性嘔吐
- 平均して週1回以上の嘔吐がある
- 摂食障害の基準を満たさず、自己誘発性嘔吐や反芻がない
- 適切な医学的評価によっても、他の疾患では説明できない症状である
*上記の全てを満たし、診断前の少なくとも2ヶ月以上基準を満たすこと
英語になりますが、以下にRome IV基準に基づく計算ツールがあります。
https://www.mdcalc.com/calc/10325/rome-iv-diagnostic-criteria-child-functional-nausea-vomiting
【治療】
エビデンスが限定的であり、経験的治療が中心になります。5-HT3拮抗薬(オンダンセトロンなど)、プロキネティクス、酸分泌抑制薬、低用量三環系抗うつ剤が試みられることはありますが、その効果は限定的です。
小児に対して、催眠療法が期待されています。










