【ビタミンKとは】
ビタミンKは血液凝固因子の産生に不可欠な脂溶性ビタミンであり、骨や血管の石灰化調節にも関与します。天然には植物由来のビタミンK1(フィロキノン)と、主に細菌由来・発酵食品に含まれるビタミンK2(メナキノン)の2種類が存在します。生まれたばかりの赤ちゃんの頭蓋内出血の予防のためにK2シロップを飲みますよね。
【働き】
- 血液の凝固
- 肝臓でγ-カルボキシラーゼの補酵素として働き、凝固因子II(プロトロンビン)、VII、IX、Xおよび抗凝固蛋白であるプロテインC・S・Zのカルボキシル化を触媒して、血液凝固を可能にします。
- PIVKA-IIという検査があります。これはProtein induced by Vitamin K Absence or Antagonistの略でビタミンKが不足したり作用が阻害された時に作られる、正常ではないプロトロンビンを指します。ビタミンK不足だけではなく、肝細胞癌の腫瘍マーカーとしてAFPと組み合わせて使用します。
- 骨の健康維持
- カルシウムを骨に定着させるタンパク質を活性化し、骨を強くします。
- 骨タンパクのオステオカルシンや血管石灰化を強力に抑制するマトリックスGlaタンパク(MGP)のカルボキシル化にも関与し、骨形成と血管石灰化の抑制に寄与します。
【欠乏症】
出血傾向(凝固障害)として現れます。抗菌薬による腸内細菌叢の乱れ、肝・腎疾患、脂肪吸収不全で生じやすいです。
新生児では胎盤透過性が低く母乳含有量も少なく腸内細菌も未発達なため、欠乏になりやすいです。ビタミンK欠乏性出血には早発型(出生〜24時間)、古典型(生後2~7日)、遅発型(生後7日~6ヶ月)に分類されています。
【過剰症】
天然型ビタミンK1、K2では過剰症は報告されていません。しかし、合成型のビタミンK3(メナジオン)は毒性があり、乳児では溶血性貧血や高ビリルビン血症、核黄疸をきたしますが、現在は使用されていません。
しかし、ワーファリンなどの抗凝固剤服用中の患者さんでは、ビタミンKを過剰に摂取すると抗凝固作用が低下してしまいますので注意が必要です。
【必要量】
ビタミンKは推奨量(RDA)が設定されておらず、日本人の食事摂取基準(2025年版)では目安量が示されています。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 0〜5か月 | 4μg/日 | 4μg/日 |
| 6〜11か月 | 7μg/日 | 7μg/日 |
| 1〜2歳 | 50μg/日 | 60μg/日 |
| 3〜5歳 | 60μg/日 | 70μg/日 |
| 6〜7歳 | 80μg/日 | 90μg/日 |
| 8〜9歳 | 90μg/日 | 110μg/日 |
| 10〜11歳 | 110μg/日 | 130μg/日 |
| 12〜14歳 | 140μg/日 | 150μg/日 |
| 15〜17歳 | 150μg/日 | 150μg/日 |
| 18歳以上 | 150μg/日 | 150μg/日 |
妊娠中・授乳中も150μg/日です。
上記のように過剰症は報告されていないので、耐容上限量は設定されていません。
【ビタミンKを多く含むもの】
- ビタミンK1(植物由来):ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、モロヘイヤ、海藻類など
- ビタミンK2(発酵食品・動物由来):納豆、チーズなど










