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診療案内 機能性消化管疾患(FGIDs)総論

Functional gastrointestinal disorders

 

【機能性消化管疾患とは】

 機能性消化管疾患とは消化管に器質的・生化学的な異常が同定されていないにもかかわらず、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、悪心、嘔吐などの慢性的な消化器症状を呈する疾患群です。近年では病態生理として脳腸相関の異常(motility disturbance, visceral hypersensitivity、腸内細菌叢の異常、粘膜免疫機能の変化、中枢神経系の処理の異常など)が関与することが認識されてきており、「腸脳相互作用障害(disorders of gut-brain interaction:DGBI)」とも呼ばれるようになっています。

 

【診断基準】

 診断はRome基準(現在はRome IV)による症状ベースの分類に基づいて、器質疾患を除外した上で症状パターンから診断されます。

 

【小児における代表的な疾患】

 Rome IVでは下記のように分類されています。

1)小児期機能性消化管障害:新生児/乳幼児(0~3歳)

  1. 乳児逆流:infant regurgitation
  2. 乳児反芻症候群:infant rumination syndrome
  3. 周期性嘔吐症候群:cyclic vomiting syndrome
  4. 乳児臍疝痛:infant colic
  5. 機能性下痢:functional diarrhea
  6. 乳児排便困難:infant dyschezia
  7. 機能性便秘:functional constipation

2)小児期機能性消化管障害:小児・青年期(4~18歳)

  1. 機能性悪心・嘔吐障害
    1. 周期性嘔吐症候群
    2. 機能性悪心・機能性嘔吐
      1. 機能性悪心
      2. 機能性嘔吐
    3. 反芻症候群
    4. 空気嚥下症
  2. 機能性腹痛疾患
    1. 機能性ディスペプシア
      1. 食後愁訴症候群
      2. 心窩部痛症候群
    2. 過敏性腸症候群
    3. 腹部片頭痛
    4. 他に分類されない機能性腹痛
  3. 機能性排便疾患
    1. 機能性便秘
    2. 非貯留性便失禁

 これらの疾患は互いに重複することが多く、Rome IV基準を満たす成人は世界的に約42.7%にも達すると言われています。

 

【診断】

 診断には限られた検査(血算、CRP、セリアック血清(抗組織トランスグルタミナーゼ抗体:tTG-IgA)、便カルプロテクチンなど)で、警告症状・非典型的症状を有する場合を除き、大腸内視鏡などの侵襲的検査は必須ではありません。

 

【治療】

 生物心理社会的モデルに基づき、身体症状の管理と並存する心理的要因への対応を組み合わせて行います。

 

 これから一つずつ示したいと思います。

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