【RSウイルス感染症とは】
RS(Respiratory Syncytial)ウイルス(RSV)は、乳幼児の呼吸器感染症の主要な病原ウイルスです。毎年、12月〜2月頃をピークに秋から春先に流行します。
2歳頃までにほとんど全ての子どもが感染し、通常は一般的なカゼ症状を呈し数日で回復しますが、早産児や心臓病などの持病を持つ子どもや、2歳以下の一部の子どもは重症化します。
つまり、ほとんどのこどもは心配がないと言うことです。同じ園でRSの子がいて、熱が出たり咳をしたからといって、また、2歳以上の普通の子どもはまず重症化しませんので検査は不要です。
【感染様式】
原則、患者に直接接触することで感染しますが、3〜8フィート(0.9〜1.8m)以内であれば咳嗽や鼻汁からの飛沫で感染します。
ウイルスは机などの表面では数時間、手では30分以上生きており、感染源となります。患者では症状が出る前からウイルスを排泄していると言われています。
【症状】
前述のように、ほとんどのこどもでは風邪の症状しか出ません。
2歳以下、特に1歳以下で細気管支炎を呈すると、発熱、咳嗽、鼻汁、易刺激性、哺乳力低下などがでます。
RSウイルス感染症では鼻汁が多いのが特徴です。迅速検査で診断が出来ます。
【潜伏期】
2〜8日(平均4〜6日)、乳児では症状の出る直前から数週間ウイルスを排出すると言われています。
【合併症】
上述のように、細気管支炎、肺炎が主な合併症です。発熱が持続し、喘鳴、多呼吸を伴うときは要注意です。
哺乳力低下、酸素濃度(SpO2)低下を認めるときは入院になる事があります。
【治療】
一般の感染症で風邪の症状しかなければ治療の必要はありません。
喘鳴、発熱、多呼吸、哺乳力低下を伴えば吸入、気管支拡張剤などを処方し、点滴も行うことがありますが、すべて効果が高いわけではありません。
必要の応じて大きな病院を受診して入院の必要性をみてもらいます。入院をのがれれば通常は1週間程度で軽快します。
【予防】
先天性心疾患を持ったこども、早産児、気管支肺異形成症を持つこども、ダウン症、肺低形成を伴う新生児、乳児および幼児、気道狭窄を伴う新生児、乳児および幼児、先天性食道閉鎖症の新生児、乳児および幼児、先天代謝異常症の新生児、乳児および幼児、神経筋疾患の新生児、乳児および幼児はシナジス(パリビスマブ)の注射を、流行期前から行うことが出来ます。
詳しくはhttps://tsudashonika.com/synagis/を参考にしてください。
【登校登園基準】
解熱し喘鳴もとれ、全身状態が良ければ登園可能です。