【小児のやけどの特殊性】
子供の皮膚は成人の皮膚より薄く熱への抵抗性が低いため、短時間の熱源への接触でも深いところまで損傷が及んでしまいます。小児、特に0〜4歳までの乳幼児でやけどの頻度が多いことも知られています。
小児のやけどの約65%が家庭内で発生しており、その主な原因は熱湯です。
【深さと重症度】
やけどはその損傷の深さによりI〜III度に分類されています。II度以上のやけどはその範囲にかかわらず医療機関への受診が必要です。
やけどの深さと重症度の分類
| 深達度 | 症状 | 治癒のめやすと懸念事項 |
|---|---|---|
| I度 | 皮膚表面が赤くヒリヒリする。水ぶくれなし | 数日で治癒することが多く、自宅での経過観察が可能 |
| II度 | 水疱ができ強い痛み、皮膚は赤色〜白赤色 | 10日〜数週間で治癒するが瘢痕のリスクがあるため医師の評価が望ましい |
| III度 | 皮膚が白っぽく革状、あるいは黒焦げ様で痛みを感じにくい場合がある | 自然治癒は難しく、植皮などの外科的治療が必要になる可能性がある |
緊急受診が必要な3つの基準
| 判断基準 | 具体的なチェックポイント | 専門的懸念事項 |
|---|---|---|
| 広さ (面積) |
やけどの範囲がこどもの手のひらサイズより広い場合 | 手のひら1枚のサイズはその子の全身の面積の約1%とされる。 10%を超えると全身管理が必要となる場合があり、救急車を呼ぶことが勧められる |
| 深さ (重症度) |
皮膚が白っぽい・黒焦げ、大きな水疱がある場合 | 深部損傷により瘢痕形成や植皮の必要性が高まる |
| 部位 (重要部位) |
顔面、頸部、手足、外陰部 手首、足首などの関節部 |
瘢痕拘縮による機能障害や美容的問題が生じやすい部位 |
【自宅での初期対応】
熱湯で濡れた衣類やオムツは熱を保持し続けるため、二次的な熱源となります。速やかに脱がせてください。
衣類を脱がせたら、できるだけ早く冷やしてください。原則として受傷後3時間以内に行うと効果的と言われています。
継続的な20分以上の冷却が良いとされていますが、少なくとも5分以上は行ってください。だいぶ長く感じます。このとき、水温は極端に冷たい必要はなく、12〜18℃程度の流水(水道水で十分)が最適です。
氷や氷水は局所の血管を過度に収縮させるため、使用してはいけません。もちろん、バター、味噌・軟膏・アロエなどの民間療法はもってのほかです。ときどきおばあちゃんがしてきます。
水疱は損傷した皮膚を保護する役目があるので、原則破らずに受診してください。
冷却が終了したら、濡れた衣類やタオルを速やかに取り除き、やけどの部位を清潔な食品用ラップなど創部につきにくいもので緩く貼り付け、損傷部位を保護して受診してください。
【医療機関での処置】
水疱がある場合は、初期は可能な限り温存し、水疱膜の上から外用療法や創傷被覆材の貼付を行います。水疱内容液が充満している場合には、水疱膜が汚く自壊することがあるので、太めの注射器やメスを用いて小さな穴を開け、水疱液を除去します。感染兆候が見られる場合はこの限りではありません。
輸液が必要な場合や植皮が考慮されるような重症なケースでは大きな病院への受診が必要となります。










