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診療案内 PANDAS(連鎖球菌感染性小児自己免疫神経精神障害)

【PANDASとは】

 溶連菌感染後に急速に発症する精神神経障害を、PANDASと呼びます。精神神経障害にはチック、強迫性障害(OCD)が含まれます。しかし、溶連菌が原因であるという明確な証拠はまだありません。

PANDAS:Pediatric Autoimmune Neuropsychiatric Disorders Associated with Streptococcal infection

【病因・病態】

 明らかな病態、機序は不明です。しかし、脳内にある尾状核や視床下部に対する抗体が報告されています。

また、チック、舞踏病運動、強迫障害において、抗基底核抗体陽性例が多いという報告もあります。

溶連菌感染をきっかけに、患児の遺伝的な体質を背景に自己免疫機序が惹起されて、脳内組織、特に尾状核や被殻を障害することにより、ドパミン作動性神経が過剰に興奮することによって、チック、舞踏病運動、強迫・不安症状などが発言すると考えられています。

【診断基準】

 Swedoらは診断基準として下記の5項目を挙げています。

  1. OCDまたはチック障害(あるいは両者)
  2. 3歳から思春期の発症
  3. 突然の発症あるいは劇的な増悪を伴うepisodicな症状の経過
  4. 溶連菌感染が関与した一時的な症状悪化(咽頭培養陽性または溶連菌関連抗体の上昇、またはその両方による証明)
  5. 症状悪化時の舞踏病運動などの神経学的異常

【治療】

 溶連菌に対する抗菌薬による治療、精神神経障害に対する薬物治療が中心です。溶連菌に対する治療は、溶連菌感染症に記載してありますので参考にしてください。
 溶連菌感染症について

 精神神経症状については、チックやOCDに用いるドパミンに関係する薬やセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗精神薬を用います。

【鑑別診断】

 Sydenham舞踏病や強迫障害、チックが鑑別となります。

 

Sydenham 舞踏病 PANDAS
発症年齢(ピーク) 5〜13歳(8〜9歳) 2〜14歳(6〜7歳)
性別 男<女(1:1.5〜2) 男>女(3:1)
初期症状 情緒不安定、舞踏運動 強迫症状、チック
合併症 強迫症状、不安、遂行機能障害 分離不安、睡眠障害、遺尿、注意障害、感覚障害
リュウマチ熱との関連 リュウマチ熱の神経症状、心炎、関節炎、輪状紅斑、皮下結節の合併あり リュウマチ熱は除外基準

 

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