菊池病(亜急性/組織球性壊死性リンパ節炎)
【菊池病とは】
良性の炎症性リンパ節炎です。
10代から30代のアジア女性に多いとされていましたが、西洋でもみられるようになってきました。原因はわかっていません。
私の若い頃には亜急性壊死性リンパ節炎と呼ばれていましたが、組織球性壊死性リンパ節炎とも呼ばれます。
1970年代に福岡大学の菊池先生が発表された病気で、それ以前では悪性リンパ腫として治療されていたこともありました。
【症状】
発熱と痛みを伴う頚部リンパ節腫脹が主な症状です。
発熱は30〜50%、3週間くらい長く持続することもあります。
有痛性のリンパ節腫脹は56〜96%に認めます。
約10%程度に丘疹性の紅斑や滲出性紅斑などの皮疹を伴うことがあります。
【検査所見】
白血球数減少(4,000/μl以下)が約40%、LDH,CRPの上昇を認めることがあります。
エコーにて数珠状にリンパ節は腫れていることが見られたり、CTで造影剤を使用しても辺縁の増強効果が見られないのも特徴です。
しかし、実際には難しいため、リンパ節生検になることも多いです。
【診断】
診断を確定するにはリンパ節の生検が必要です。
もっとも腫れのひどいリンパ節を取って検査することが重要です。
病理学的に凝固壊死像がみられれば診断が確定できます。
【治療】
自然治癒が期待できますが、ステロイドを使用することもあります。
体重当たり1〜2mg/日から開始して、2週間くらいから減量します。
【予後】
再発を繰り返す方も多いです。
一部の方は血球貪食症候群を併発する方や全身性エリテマトーデス(SLE)に移行する方もいるので注意が必要です。