提携駐車場あり 19:00まで診断

診療案内 炎症

【炎症とは】

 炎症とは、異物や化学的刺激、死んでしまった自分の細胞を排除して生体の恒常性を維持しようとする反応と考えられます。これらの反応にはあらかじめ体の中に用意されている直ちに働く成分による反応と、やや時間をかけて、その異物の成分を解析してから強力に攻撃する反応があります。急性炎症と慢性炎症があります。

 前者の早く反応するのが自然免疫、後者を獲得免疫と言います。
 我々の体の成分も異物として認識されることがあります。たとえば、細胞の中の成分が、細胞の死によって細部外に出ると炎症反応が引き起こされることがあります。このような炎症は最近やウイルスの成分が引き起こす感染性の炎症と区別して「自然炎症」と呼ぶことがあります。

 病原体には固有の分子構造がありこれをPAMPs(pathogen-associated molecular pattern:病原体関連分子パターン)と呼び、このPAMPsを認識するセンサーをPRRs(patter-recognition receptors:パターン認識受容体)と総称します。
これに対して、自己炎症を引き起こす体にある成分をDAMPs(damage-associated molecular patterns: ダメージ(傷害)関連分子パターン)と総称しています。

【炎症反応】

1) 感染における炎症

侵入してきた微生物や最近は自然免疫細胞であり大型貪食細胞としてしられるマクロファージに貪食されて分解されます。また、マクロファージ上に存在するPRRsが微生物に共通して存在する構成成分を認識します。
これによりアクロファージは情報伝達物質であるサイトカインやケモカインを分泌します・分泌されたサイトカインにのより血管内皮細胞が収縮し、血管透過性が亢進します。その結果、体液がタンパク質などを含む血漿成分が組織に流出し、発熱、発赤、主徴といった徴候が現れます。

2) 物理学的傷害による炎症

組織損傷においては、血管の破壊と出血を止めるため、止血反応が含まれますが、大まかな流れは感染のよる炎症と一緒です。

【炎症の徴候】

 発熱、発赤、腫脹、疼痛をローマ時代の発見者にちなんで「ケルススの4徴候」、さらにローマ帝国西であったガレノスが提唱した機能障害を入れて「炎症の5徴候」と呼びます。

【サイトカインとは】

 免疫細胞の分化、活性化、細胞死といった細胞の運命を決定する液性の因子です。1954年に長野一がウイルス抑制因子として記載したのが最初の発見とされていますが、日本語での論文のため海外では知られていません。1957年同じ因子を発見したIssacsらがインターフェロン(IFN)と名付けました。肝炎の治療などで使用されますよね。
その後多くのサイトカインの遺伝子が同定されましたが、日本人研究者の功績が大きいのです。例えばIFN-α(谷口維昭)、IFN-β(長田重一)、IL-2(谷口)、IL-4(本庶佑)IL-5(高津聖志)、IL-6(岸本忠三/平野俊夫)、G-CSF(長田)など数々の日本人が関わっています。
サイトカインにはIFN、IL、ケモカイン、腫瘍壊死因子(TNF)、モノカインなどがあります。

【ケモカインとは】

 白血球の遊走に関与するサイトカインです。IL-8が1987年位同定されたのが最初です。

【INFとは】

 IFNとは主にウイルス感染時に細胞が分泌するタンパク質であり、抗ウイルス応答の誘導に置いて重要な役割を果たします。

【インターロイキン(IL)】

 ILとは細胞から分泌される低分子のタンパク質の総称です。主に免疫に関与する細胞から分泌され免疫機能に重要な役割を果たします。ILなしでは免疫は成り立ちませんが、一方、自己免疫疾患、免疫不全にも関与します。

【インフラソームとは】

 自然免疫に関するもので細胞に存在し、炎症を惹起するための細胞内タンパク複合体です。

初診予約はこちら 再診予約はこちら お知らせ
TOP