【CHARGE症候群とは】
元々はColoboma(虹彩欠損)、Heart disease(心疾患)、Atresia choanae(後鼻孔閉鎖)、Retarded growth and development(成長障害と精神遅滞)、Genital anomalies and hypogonadism(性器奇形と低形成)、Ear anomalies and deafness(耳の奇形と難聴)の頭文字をとって名付けられました。
【原因】
以前は原因が不明のためCHARGE連合という言葉が使われていた時期もありましたが、約80%の患者さんでchromosomal helicase DNA-binding familyであるCHD7が原因遺伝子であることが証明され、常染色体優性遺伝形式をとることがわかりました。
【症状】
「眼」
80〜90%に認めます。
視力障害を伴わない虹彩欠損や、網膜、脈絡膜の欠損、小眼球症があります。
「心」
75〜80%に認めます。
ファロー四徴症、動脈管開存症、心室中隔欠損症が多く見られます。
「頭蓋顔面」
後鼻孔閉鎖(膜性または骨性)が50〜60%、口唇口蓋裂が15〜20%、顔面神経麻痺、顔面非対称、前額部突出などがみられます。
「成長・発達」
子宮内発育不全26%、主に出生後に成長障害、精神発達遅滞(境界領域〜重度)を認めます。
「性器」
男子では尿道裂、矮小陰茎(50〜60%)、女児では思春期遅発や未発来(65〜75%)、ゴナドトロピンリリーシングホルモン(GnRH)欠損などが見られます。
「耳」
耳たぶの欠損あるいは低形成、感音性難聴、伝音性難聴などが認められます。
「その他」
脳神経(嗅神経、顔面神経、聴神経、咽頭神経、迷走神経)の単独あるいは多数の異常を認めることがあります。
【経過】
胎児の時に超音波などで異常を認められますが診断は出生後につけられることがほとんどです。重度の奇形(後鼻孔閉鎖や食道閉鎖、免疫異常、先天性心疾患など)があると早期に亡くなることもあります。
治療は主に対処療法になり心疾患に対する手術、哺乳障害や嚥下障害には経管栄養などが行われます。
【鑑別診断】
VATER連合、口蓋帆・心・顔症候群、先天性風疹症候群、cardiofacial症候群、Stikler症候群、hemifacial microsomia、Treacher Collins症候群、Goldenhar症候群など。