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診療案内 子どもの睡眠

睡眠のサイクル

ご存知のように睡眠にはサイクルがあります。眠り始めるとまず「ノンレム睡眠」と呼ばれる睡眠になります。ノンレム睡眠は約1時間続き、その後「レム睡眠」になります。「レム睡眠」はREM睡眠と書き、「Rapid Eye Movement」の頭文字をとってREM睡眠と呼んでいます。レム睡眠は約30分で一つのサイクルは約90分になります。文字通り目が動いているためこのような名前になっているのです。

「ノンレム睡眠」はステージ1から3までに分類され、ステージ1と2は比較的浅い睡眠です。ステージ3は深い睡眠で、脳と体を休息させる大切なステージです。眠りについて最初のサイクルではステージ3が多く含まれますが、2回目以降ではその割合が少なくなります。そのため、1回目のノンレム睡眠はしっかり取ることが重要です。ステージ3に目がさめると不快感があると言われています。

レム睡眠

ノンレム睡眠は記憶の定着や強化に重要であることがわかってきています。ですから、徹夜するよりよく寝たほうが覚えることができますし、睡眠不足によるミスも減るということです。

一方で、レム睡眠も記憶と関係していると考えられており、レム睡眠中は記憶の形成に重要な役割をする脳の「海馬」という部分が活発に活動しています。

レム睡眠中は、体は休んでいて筋肉は弛緩しており、脳は覚醒時に近い状態にあります。夢を見るのは主にレム睡眠のときですが、ノンレム睡眠中にも見ることがあります。金縛りは、レム睡眠中に筋肉が弛緩したまま覚醒した状態と考えられています。

体内時計

体内時計には親時計 and 子時計があります。親時計は視交叉上核にあり、光の情報を感知して全身の時計を調節します。また、全身のほとんどの細胞にも時計遺伝子があり、それぞれのリズムを刻んでいます。これを子時計と言います。2017年のノーベル生理学・医学賞は時計遺伝子の発見により、体内時計の分子メカニズムを発見したことでジェフリー・ホール氏、マイケル・ロスバッシュ氏、マイケル・ヤング氏の三人に授けられています。

小児の睡眠

われわれの睡眠のリズムはわれわれ自身の体に備わっている生物時計機構により調整されています。概日リズムとはこの生物時計機構により生み出されている約24時間のリズムのことを指します。しかし、ヒトの概日リズムの周期は24時間よりやや長いため、目から入った光により24時間に同期します。このため、ヒトは朝に光を浴びることが必要です。

生まれたての赤ちゃんは生物時計機構が未熟なために、昼夜の区別のない、1日に何回も睡眠が出現する多相性睡眠となります。3〜4ヶ月頃になると睡眠物質であるメラトニンの分泌が安定することから夜間の睡眠時間が長くなります。お母さんもやっと夜眠れることになり一息つけるようになります。

幼児期になると昼に1回の仮眠、夜に主睡眠となる二相性睡眠となります。そして5歳頃には日中の睡眠は、夜間の睡眠不足を補うためだけの補助的なものになっていくのです。

ここまでは睡眠の長さの話ですが、睡眠の質についてはどうでしょうか?生後3ヶ月頃までは大人の睡眠の特徴が見られませんが、その後レム睡眠とノンレム睡眠が区別できるようになります。深睡眠では成長ホルモンの分泌が見られます。また、脳における神経ネットワークが強化され、記憶や学習などが促進されますので、この時期に十分な睡眠を取ることが重要です。

睡眠衛生指導

色々な睡眠衛生指導がありますので、ここでは代表的なものを取り上げます。成人に対してのことも含まれています。

寝だめ

休日に寝だめをするヒトがいますが、寝だめをすることはできないのです。一度徹夜をしてしまうと、その回復には1週間程度かかると言われています。また、徹夜明けの脳の機能は、お酒で酔っ払っている程度まで機能が低下しているため、ミスが多くなります。眠っている間に記憶も形成されますので、勉強は一夜漬けではなく積み重ねの方が遥かに良いのです。

トリビア① 睡眠とコーヒー

脳の視床下部には「睡眠中枢」と「覚醒中枢」があり、バランスを取っています。睡眠中枢を刺激する物質としてはアデノシンがあり、覚醒中枢を刺激する物質にはオレキシンがあります。脳の側坐核がアデノシンをキャッチすることで眠気を誘発します。オレキシンは日本人研究者の柳沢正史により発見されました。脳におけるオレキシンの欠乏はナルコレプシーの原因となります。ナルコレプシーとは日中に耐え難いほどの眠気に襲われる、コントロールできない睡眠障害です。柳沢教授は日本人ノーベル賞候補ですので楽しみです。コーヒーの中のカフェインは睡眠中枢を刺激するアデノシンの作用を阻害するため目が覚めるのです。

トリビア②

人間のように長時間眠る動物は実は少なく、細切れに眠ることが多いのです。眠ることは、外敵のいる野生動物にとっては危険な行為となります。キリンやゾウは、一日に2〜4時間程度しか眠りません。しかも、ほとんどは立ったまま眠ります。

水族館で飼育されているマグロは、夜間に6秒ほど泳ぐ速度が落ちることがあり、その間に眠っていると考えられています。逆にコアラやナマケモノは、1日に18〜22時間も眠ります。

イルカやクジラ、カモメやアホウドリなどの渡り鳥は、大脳半球の右と左を交互に眠らせる「半球睡眠」を行うことが知られています。すごいですね。人間もこのようなことができたら、時間をもっと有効に使うことができるでしょう。

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