【概要】
三大栄養素は炭水化物、脂質、タンパク質ですが、それ以外にも人間お体に必要な成分があります。
ビタミンは人が健康を維持するために必要な有機化合物で、体内で十分な量が合成できないため、食品などから摂取する必要があります。
ビタミンは、エネルギー代謝や体の機能を正常に保つために重要な役割を果たしています。
ちなみに、同様の役割をもち無機化合物をミネラルと呼びます。
ビタミンとミネラルは三大栄養素のようにエネルギーにはなりませんが、人間が生きていく上で必要不可欠な栄養素です。
ミネラルとともに微量栄養素と呼ばれています。
【種類】
大きく分けると13種類あります。
水に溶ける水溶性が9種類、油に溶ける脂溶性が4種類です。
水溶性ビタミンにはビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンCの9種類、脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kの4種類があります。
水溶性ビタミンは多く摂りすぎても、原則尿に排泄されるため過剰摂取による副作用はありません。
一方、脂溶性ビタミンは体内に残るため過剰摂取による副作用が見られます(過剰症)。
ちなみにビタミンというのは物質の名前ではなく、その作用を持つグループの名前です。
例えばレチノール、レチナール、レチノイン酸は全てビタミンAになります。
【トリビア】
ビタミンは最初に発見したのは日本人で、鈴木梅太郎といいます。
残念ながら論文が日本語だったために世界では認められませんでした。
この発見により当時の国民病であった脚気を予防することができました。
彼の発見は評価されノーベル賞の候補にもなったそうです。
彼の発見のよく年の1911年、カジミール・フンクが鈴木梅太郎と同じ成分を発見し論文にし、ビタミンと命名されました。
明治から大正時代にかけて脚気の原因が論争になりました。
作家でもあり陸軍軍医でもあり森鴎外(森倫太郎)は脚気の原因を感染症と考えていました。
ところが、海軍軍人で医師でもある高木兼寛は脚気の原因は栄養不足であると訴え、森鴎外と真っ向対決しました。
森鴎外はこの説を退けたため陸軍では多くの死者を出し、海軍では白米に麦飯を混ぜることにより予防ができたといいます。
高木兼寛はのちのビタミンの発見に貢献したため、ビタミンの父と呼ばれています。