乳児排便困難症 Infantile Dyschezia
【乳児排便困難症とは】
乳児排便困難症とはほとんどの場合生後1ヶ月以内に始まり、生後9ヶ月未満の健常な乳児にみられる機能性消化管疾患です。排便時に少なくとも10分間の強いいきみ・啼泣を伴い(排便に成功する場合も失敗する場合もある)、その他の健康問題をみとめないものと定義されています。
便は通常軟らかいです。
【病態】
骨盤底筋の弛緩と腹腔内圧の上昇の調整が未熟であるために生じるとされています。
【診断基準】
ここではRome IVの基準を示します。
9ヶ月未満の乳児で以下を満たす
- 少なくとも10分以上、排便前に泣いたりいきんだりする。便は軟らかく実際に排便がない時も含む
- その他の健康面で問題がない
機能性便秘の診断基準を満たさないことを確認し、肛門・直腸の異常を見逃さないために直腸指診を行います。成長曲線で異常がなければ、それ以上の検査は必要ありません。
新生児・乳児における機能性便秘のRome IV診断基準
4歳未満の小児で、以下のうち少なくとも2項目以上が1ヶ月以上あること
- 1週間に2回以下の排便
- 過度の便貯留の既往
- 痛みを伴う排便もしくは硬い便通の既往
- 大きな便の既往
- 直腸内に大きな便塊
トイレトレーニングが終了している小児は以下の項目を追加する
- 少なくとも週1回の便失禁
- トイレが詰まるほどの大きな便の既往
【治療】
医学的な介入は必要ありません。下剤や肛門刺激(綿棒刺激)は有害であり、刺激が排便を開始するのを待っている乳児の条件付けにつながるため避ける必要があります。
通常3~4週程度で自然に治ります。










