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診療案内 急性糸球体腎炎(溶連菌感染後急性糸球体腎炎)

【糸球体腎炎とは】

血尿、蛋白尿、高血圧を三主徴とする糸球体の炎症です。

【病態生理】

PSAGNは急性腎不全です。感染後の糸球体腎炎の中で最も多く、約80〜90%を占めます。
溶連菌の他にはブドウ球菌やウイルス性のものもあるため、感染後急性糸球体腎炎と呼ぶこともあります。
小学生に多く、溶連菌による咽頭炎や伝染性膿痂疹(とびひ)の感染後に生じます。

溶連菌にもいろいろな株があり、特定の株に感染したのちに10〜15%の確率で起こります。
溶連菌の治療の目的はもう一つの代表的な合併症であるリュウマチ熱の発症を減らすために抗生剤を飲むのですが、残念ながら急性糸球体腎炎は抗生剤を早期に飲んでも予防することはできません。

【臨床所見】

溶連菌による咽頭炎感染の後、約2週間前後で発症します。
溶連菌による皮膚疾患(伝染性膿痂疹:とびひ)の感染後は3〜6週間後に発症すると言われています。症状の発現は急激で、肉眼的血尿は30〜50%ですが、コーラ色、紅茶色と表現されます。50〜90%にみとめる高血圧のため頭痛を訴えることもよく見られます。

浮腫はネフローゼと違いは軽度ですが特に朝に眼瞼に認めることがあります。
蛋白尿はネフローゼ症候群ほど強くはありません。

【検査所見】

最も大切な検査は結成の補体価の検査です。C3はPSAGNの90%で低値をとりますが、C4は正常です。両方とも低値を取る場合は全身性エリテマトーデスに伴うループス腎炎など別の疾患の可能性が高くなります。C3は通常2ヶ月以内に正常となります。
尿検査では高比重、低pH、血尿、蛋白尿、赤血球円柱が認められます。

血液検査では溶連菌感染の証明としてASO抗体(ストレプトリジンO抗体)や抗DNase抗体が高価となります。
ASO抗体は溶連菌性咽頭炎の80%に陽性となりますが、皮膚疾患では50%未満しか陽性となりません。
抗DNase抗体の方の信頼性が高いと言われています。

その他にはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドグリコヒドラーゼ抗体(NADase)、ヒアルニダーゼ、ストレプトキナーゼに対する抗体も測定されることがあります。
典型的な症例には腎生検は行いません。

【治療】

対処療法となります。急性の腎不全状態なので、体液のバランスを取るため、利尿剤、水分制限を行います。血圧はループ利尿剤とカルシウム拮抗剤でコントロールします。
適切な対応を行えば浮腫は5〜10日で消失し、血圧も3週間以内に正常になります。C3は通常1〜2ヶ月で正常化するはずですので、C3低値が持続する場合は他の疾患を疑います。
顕微鏡的血尿(潜血)は1〜2年持続することがあります。

【予後】

通常は慢性化することはなく、適切な処置を行えば良好です。

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