【むずむず脚症候群とは】
手足、主に足になんとも言えない不快感を感じ、じっとしているとひどくなるので症状を抑えるために異常な感覚があるところを擦り合わせたり、たたいたり、歩き回ったりします。
中高年に多い病気ですが25%が10〜20歳の間に発症します。座ったり、横になったり、夕方や夜間のみに出現、あるいはこの時間帯に悪くなります。
症状を上手に伝えられないお子さんでは養育者が「子供が騒いで寝付かない」と訴えることがあります。成長痛との関連も示唆されています。
睡眠関連運動障害の一つとされています。
【原因】
原因は一つではなく、様々な要因が考えられています。家族歴があることもあります。脳内のドパミンの欠乏が原因と言われています。
また本患児の25%にADHD類似の症状を示し、ADHD患児の12〜35%が本症の診断基準に合致するといいます。
【診断基準】
2〜12歳の小児では
① 睡眠障害がある
② 親か兄弟姉妹がむずむず脚症候群である
③ 睡眠時ポリグラフで周期性四肢運動が1時間に5回以上である
という3つのうち2つ以上ないと診断はできません。
【治療】
軽症例ではクロナゼパムやガバペンチンが、中等症以上では少量のドパミンアゴニスト(パーキンソン病の薬)が有用です。
血清のフェリチンが50ng/mL未満の時には鉄剤の投与が有効な時があります。子どもではまずこれが優先されるでしょう。
成人中等症例ではプラミペキソール(ドパミンアゴニスト)が承認されています。重症例では6歳以上で0.125mg投与されます。
非薬物療法としては発作時のマッサージのほか、規則正しい生活が勧められています。カフェイン、アルコールなどが増悪因子にあげられるので避けることも重要です。