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診療案内 急性小脳失調症

【急性小脳失調症とは】

先行感染またはワクチン接種後に発症する自己免疫機序による小脳失調症です。

 

【原因】

約70〜80%の患者さんに数日〜3週間前に先行感染を認めます。有名なものは水痘です。その他にもムンプスウイルス(おたふくかぜ)、エコーウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、エンテロウイルス、麻疹ウイルスの他にマイコプラズマや溶連菌など多岐にわたります。予防接種では水痘、B型肝炎、麻疹などが誘因となることが知られています。

 

【頻度】

不明だと思います。

 

【症状】

歩行障害(失調性歩行:ふらつく歩行です)、体幹失調(姿勢の維持が困難になります)、測定障害(指鼻試験などで障害がでます)、構音障害(うまく喋ることができません)、眼振(目が細かく揺れます)などを認めます。

 

【検査・診断】

特徴的な検査所見はありません。MRIでも異常は認めません。大切なことは下記に記載しているものとの鑑別になります。

 

【治療】

自然軽快するので経過観察となります。約80〜90%は1〜2週間以内に改善し4〜8週で回復します。
重症例には下記の疾患の鑑別を行いながらステロイド療法やγ-グロブリン療法を考慮します。

 

【予後】

ほとんどの場合、無治療で数週から数ヶ月以内に自然治癒します。問題は下記に示すopsoclonus-myoclonus症候群やあ脳腫瘍、急性散在性脳脊髄炎、脳幹脳炎、Fisher症候群、血管障害(小脳出血など)、代謝性疾患(ハートナップ病(Hartnup病)、メープルシロップ尿症(MSUD)など)などとの鑑別です。

 

【類縁疾患・鑑別疾患】

  1. Opsoclonus myoclonus症候群(opsoclonus-myoclonus syndrome; OMS)
  2. 眼球のオプスクローヌス(不随意で律動性のない、多方向性の不規則活衝動的な眼球運動)、ミオクローヌス(不随意で律動性のない,衝動的な筋収縮による運動)、小脳失調を3徴とする症候群です。50%程度に神経芽細胞腫の合併があるので定期的なフォローも必要です。

     

  3. 脳幹脳炎
  4. 脳幹とは脳のうちで大脳半球と小脳を除いた部分で、間脳,中脳,橋(きょう),延髄を合わせて呼び,大脳半球と脊髄の中間を占めて両者の連絡路となるとともに,高次の自律的な諸機能の中枢をなしています。この部位の脳炎には感染性(日本脳炎ウイルス、ヘルペスウイルス、エンテロウイルス、結核など)と自己免疫性で抗GQ1b抗体を介したBickerstaff型が知られています。
    ギランバレー症候群 も参考にして下さい。下の方の類縁疾患・鑑別疾患に簡単に書いてあります。

     

  5. その他
  6. 急性横断性脊髄炎、Sydenham舞踏病、溶連菌に伴う小児自己免疫性神経精神病(PANDAS; pediatric autoimmune neuropsychiatric disorders associated with streptococcal)などがあります。あんまり見る人ないと思いますが、そのうち頑張ってこれらも書きますので参考にして下さい。

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