【概念】
睾丸(精巣)は胎生期にお腹の中にあり胎生後期になると腹膜(鞘状突起)をつれて陰嚢に下降してきます。その際に鞘状突起内に液体(腹腔内液)が残ると精巣水瘤となります。
精索水瘤と精索水瘤
- A: 交通性精巣水瘤:腹腔と交通があり、乳幼児に多い
- B: 一般の(非交通性)精巣水瘤 年長児に多い
- C: 精索水瘤 精巣水瘤よりはるかに少ない
【症状】
一般的には無症状です。精巣は極端に水瘤が大きくなければ触れることができます。睾丸が2つ触れるような時は精索水瘤が疑わしいです。
【治療】
ほとんどの場合自然に治ります。全体では約70%以上が自然に消失します。3〜4歳を過ぎても鶏卵大以上の大きさで小さくなる傾向がなく、本人が気にしている場合や、排尿や歩き方に支障がある場合は手術をします。長期間放置していても精巣の発育に影響することはありません。
【鑑別診断】
鼠径ヘルニアが問題となります。精索水瘤では大きいだけでなくさわると上縁が確認できるくびれがありますが、ヘルニアでははっきりせず鼠径部から連続しています。