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診療案内 停留精巣

【停留精巣とは】

睾丸(精巣)はお腹の中で発生して、胎生3ヶ月頃に下降が開始します。
そして、8〜9ヶ月頃に陰嚢内に到達します。これが途中で止まってしまうのが停留精巣です。

 

【原因】

明らかな原因はわかっていませんが、ホルモンの分泌不全や精巣導帯と言う精巣下部と陰嚢底部をつなぐ靭帯の異常によるものではないかと考えられています。

 

【頻度】

新生児の5%前後に発生しますが、未熟児ではその頻度は高くなります。
出生後も精巣の下降は起こり得ますが、3ヶ月を過ぎるとほとんど起こりません。

 

【診断】

触ることで診断がつきます。停留精巣であっても約80%で触れることができるといいます。片側の精巣を触れることができなくても、対側の精巣が正常の大きさであれば、精巣は腹腔内にあると考えることができますが、それが正常より明らかに大きい場合(幼児では20mm以上)は精巣欠損の可能性が高くなります。

また、その際に陰嚢の発育状態、鼠径部の傍流の有無を見ることが大切です。典型的な停留精巣では患側の陰嚢の発育不全を伴うことが多いので、それが認められない場合は移動性停留精巣の可能性があります。

両側ともに触れることができない場合は両側欠損が極めて稀なため、腹腔内にある可能性が高いです。両者の鑑別にはホルモン検査(血中テストステロン測定やhCG(ゴナドトロピン)負荷試験)が有用です。

 

【合併症】

鼠径ヘルニア、精巣捻転、精巣外傷、不妊、精巣腫瘍などがあります。

 

【治療】

合併症の予防が治療の目的です。
停留精巣は組織変化が1歳前後で始まっていることから、治療時期は6ヶ月から遅くとも2歳までに行うのが理想です。麻酔なども考慮すると1歳以降が良いかもしれません。

治療にはホルモン療法と手術がありますが、ほとんどの場合手術になります。

 

【移動性停留精巣(遊走精巣)】

基本的には治療は必要ありませんが、上昇精巣といい何年も経ってから精巣が上昇し、真の停留精巣になることがあるので、程度が強い移動性停留精巣ではフォローが必要なことがあります。

 

【予後】

手術後も長期のフォローが必要です。精巣の発育、精巣腫瘍の発生などが問題となります。

寺島和光先生の「小児泌尿器疾患マニュアル」を参考にさせていただきました。

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