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診療案内 カンピロバクター腸炎

【カンピロバクターとは】

カンピロバクターはコンマ型をしたグラム染色というのをすると染まらない(グラム陰性)の細長い棒状の細菌(桿菌)です。
カンピロバクター種には代表的なCampylobacter jejuniのほか、Campylobacter coli、新生児や免疫の落ちている方に主にかかるCampylobacter fetus、その他にもlari、saliensis、hyointestinalis等が知られていますが、ここでは代表的なCampylobacter jejuniに関して書かせて頂きます。

 

【感染源】

鳥が主な宿主です。
飼育されている鳥だけではなく野生の鳥の腸がいる場所のため糞便に多く分離されます。
その他にもイヌ、ネコ、ハムスターペットの鳥も感染源になり得ます。

 

【潜伏期】

通常1〜7日ですがそれ以上のこともあります。

 

【症状】

下痢、腹痛、倦怠感、発熱が主な症状です。下痢は時として血が混じります。発熱がない血便が唯一の症状であることもあります。
菌血症となることはまれで、免疫が低下するような病気を持っている子では可能性があります。
軽症であればウイルス性胃腸炎の症状と似ています。多くの方は1週間くらいで改善します。

 

【検査】

便の細菌培養により診断をします。

 

【治療】

急性胃腸炎のガイドラインに沿って治療をします。すなわち、水分補給のより脱水を世簿することです。
通常は抗生剤無しの治療で十分ですが、腹痛が強い場合、熱が持続する場合、患児の免疫が弱い場合などではマクロライド系の抗生剤(クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど)を使用することがあります。

 

【合併症】

腸管外感染症として感染性心内膜炎、胆嚢炎、尿路感染症、膵炎、肝炎の報告があります。
免疫嘔吐による合併症としては下記のものがあります。

子どもでは少ないですが、感染後に自己抗体が産生されて神経を傷害するギラン・バレー症候群(Guillain-Barre syndrome)(急性に発症する四肢麻痺を特徴とする末梢神経疾患)を起こすことがあります。

腸炎後2〜21日で発症することが多いです。主に成人で起こりますが、自然発症に比べ発症率は100倍高いとされています。
難しい話になりますが、これはカンピロバクターのもつオリゴ糖とヒトの末梢神経の構成成分であるガングリオシドの構造が似ているために起こるとされています。
特殊型としてはFisher症候群(外眼筋麻痺・運動失調・腱反射消失)を生じることもあります。

これも子どもには少ないですが、反応性関節炎もあります。腸炎から3〜40日語に発症し、数週間から年単位で持続し、一般には自然に良くなりますが、慢性化したり症状の再燃寛解を繰り返すこともあります。
膝関節が好発部位ですが、単関節、多関節に発症します。

 

【予防】

鶏肉は十分加熱すること、生の鶏肉をあつかった場合には,手の消毒、まな板や台所用品を洗剤で洗うようにしましょう。

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