主に消化器症状を示すアレルギーの総称です。
この中にはIgE依存性、非IgE依存性と両方の性質を持つ混合性の3つに分類されます。
新生児・乳児食物蛋白誘発性胃腸症は非IgE依存性で、好酸球性消化器疾患は混合性の代表です。
IgE依存性の代表は即時型の食物アレルギーになります。
日本ではあまり見られないグルテンに対するアレルギーであるセリアック病は非IgE依存生に分類されます。
【新生児・乳児食物蛋白誘発生胃腸症】
- 新生児から乳児期において主に牛乳が原因で嘔吐、血便、下痢などの消化器症状により発症します。
- Non-IgE-mediated gastrointestinal food allergies(non-IgE-GIFAs)と同義として扱います。
- 本疾患群にはfood protein―induced enterocolitis syndrome(FPIES)、food protein-induced allergic proctocolitis(FPIAP)、およびfood protein-induced enteropathy(FPE)が含まれます。
- 除去・負荷試験を中心に診断して、治療は原因食物sの除去が基本です。一般予後は良好です。
- 詳細は新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症を参考にして下さい。
【好酸球性消化器疾患(eosinophilic gastrointestinal disorders(EGIDs)】
- 好酸球の消化管局所への以上な集積から生じる好酸球性炎症性疾患の総称です。病態はIgE依存性・非IgE依存性アレルギーが混在し混合型に分類されます。新生児・乳児食物蛋白誘発性胃腸症の中にはEGIDsと診断される例があります。
- 原因食物が同定できないほど、食物アレルギーとの関連がはっきりしない例があります。
- 病変部位により好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis, EoE)、好酸球性胃炎(eosinophilic gastritis, EG)、好酸球性胃腸炎(eosinophilic gastroenteritis, EGE)、好酸球性大腸炎(eosinophilic colitis, EC)に大別されます。
- 診断には消化管粘膜生検で組織好酸球の増多を認めることが必須です。
- EoEではプロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択薬として使用されます。
- 治療は局所および全身性ステロイド療法と原因食物の除去が中心となります。しばしば再燃する慢性疾患です。
- 詳細は好酸球性消化器疾患を参考にして下さい。