【乳児血管腫とは】
生まれたときにはうっすら淡い赤いものが、生後2週頃から徐々にはっきりした赤あざになり、その後、盛り上がってくる良性の腫瘍です。
イチゴのように見えることから、「いちご状血管腫」と呼ばれていましたが、イチゴのように見えない場合も多いことから最近は乳児血管腫というようになりました。
乳児血管腫は、生後2週頃から徐々に盛り上がり、1歳過ぎから自然に小さくなっていきます。
そのため、従来は自然経過を見ることが多かったのですが、「盛り上がりがのこる」「皮膚のたるみが残る」などの後遺症が半数以上の患者さんに認められることから、最近は積極的に治療する様になりました。
【治療】
「レーザーを当てる」、「薬を飲む」の2つの方法があります。
レーザーは皮膚科であてますが、輪ゴムで皮膚をパチッとする痛みがありますので、時に局所麻酔を使用することもあります。
小さい赤ちゃんではあまり使わないかもしれません。大きさにもよりますが1回で終わることはないと思います。
薬はプロプラノロール(ヘマンジオル)という元来高血圧のシロップになります。
この薬により後遺症が激減したと言われています。ただ、低血糖、低血圧などの副作用があるため、とくに投与初期には注意が必要です。
個人的には投与開始時には大きな病院で治療する方法と考えています。
その後もミルクを飲まなかったりした場合には、低血糖を防ぐために服用を避けるなどの注意が必要となります。
【専門医療機関への紹介基準】
直径が1cm未満と小さく、生後6ヶ月以上と急性期は過ぎており、かつ、顔・頭や手足、乳首や外陰部といった問題になりそうな部位ではないと言う条件が全てそろっているときは経過を観察しても良いと思います。
上記の一つでも当てはまらない場合や喘鳴や潰瘍かを認める場合には速やかな紹介が必要となります。
紹介されたといっても必ずしも治療対象になるとは限りません。また、早期発見が重要なので、ワクチンデビューする2ヶ月時に相談をして下さい。3〜4ヶ月になると手遅れになることも多いようです。