【あざ】
「あざ」とか「ほくろ」というのは医学用語ではありません。
両方とも「母斑(ぼはん)」と言います。母斑は皮膚の奇形と考えられています。
【あざ(母斑)の種類】
一般には「赤あざ」「青・茶・黒あざ」「いぼ状のあざ」などがあります。
「赤あざ」のなかに別記してある「乳児血管腫(いちご状血管腫)」がありますが、乳児血管腫は厳密には母斑ではなく腫瘍に分類されています(ISSVA(The International Society of the Vascular Anomalies))。
ここではあざとしてお話をしたいと思います。
乳児血管腫、正中部母斑を含め、以前は放置するだけで自然によくなると言われていたものが、最近ではレーザーなどの治療をした方が良いことが多いと考え方が変わってきています。
- いぼ状のあざ(表皮細胞、付属器官上皮細胞母斑)
- 表皮母斑
- 脂腺母斑
- 青・茶・黒あざ(神経節起源性母斑メラニン系母斑)
- 母斑細胞性母斑
- 扁平母斑
- 太田母斑
- 蒙古斑
- 青色母斑
- 赤あざ(血管母斑)
- 乳児血管腫(いちご状血管腫)、毛細血管拡張性肉芽種
- 血管奇形
- 毛細血管奇形単純性血管腫)、正中部母斑(サーモンパッチ、ウンナ母斑)
- 静脈奇形(海綿状血管腫)
- リンパ管奇形(リンパ管種)
1と2の違いは血管内皮細胞に異常がある(血管腫)かないか(血管奇形)です。
【レーザー治療について】
あざの治療にレーザーを使用することがよくあります。
レーザー(Laser)はLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(放射の誘導放出による光増幅)のなんだかよくわからない説明の頭文字をとったものです。
雑談ですがこの様に実は頭文字をとった英語が一般にも使われていますが気がついていないことがよくあります。
例えばレーダー(Radar)、これはRadio Detecting And Rangingの略です。
またスクーバダイビングのスクーバ(Scuba)、これはSelf-Contained Underwater Breathing Apparatusの略文字です。
よく、レーザーによる治療は早い方が良いと言われます。
その理由として一つは皮膚が薄くレーザーがとどきやすいこと、もう一つは日焼けをしていないからです。
日焼けをしてメラニンが増えるとレーザー治療により熱を持ちやすく、火傷の原因になるからです。
当院ではレーザーによる治療は行っておりませんので、しかるべき施設をご紹介させていただきます。
あざの種類によって使用される機械が異なります。血管系には色素(ダイ)レーザー、メラニン系にはQスイッチルビレーザーを使用する様です。
レーザーによる治療には痛みを伴います。
よくいうのが輪ゴムで皮膚をパチパチする感じといいますが、私はされたことがないのでよくわかりません。
エムラクリームやペンレスなどの事前に局所麻酔剤を用います。
一度では全てがなくなることはありませんのであざの大きさによって何回も治療が必要となります。
また、レーザーによる治療が完全ではありませんので治療の効果もあざの種類、大きさにより異なります。
その辺はレーザー治療をする担当の先生と相談してください。