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診療案内 シャルコー・マリー・ツゥース(Charcot Marie Tooth)病

【概念】

軸索障害と図象障害のいずれも含む末梢神経の遺伝性疾患です。
神経細胞(ニューロン)は細胞体とそこから伸びている樹状突起と軸索から成り立っています。

軸索は髄鞘(ミエリン鞘)で包まれていることにより、信号をより早く伝えることができます。
神経繊維には髄鞘で被膜に包まれている蚊によって有髄神経繊維と無髄神経繊維に分けられます。

樹状突起は信号を受け取る側(求心性)であり、軸索は信号を伝える側(遠心性)のものです。

【原因】

遺伝性疾患であり、常染色体顕性(優勢)遺伝と常染色体潜性(劣勢)遺伝があります。

【分類】

髄鞘障害(脱髄)が主体で、常染色体顕性遺伝形式(AD)を取るものをCMT I型、常染色体潜性遺伝形式(AR)を取るものをCMT 4型とし、X連鎖性顕性遺伝形式(X-linked)を示すものをCMT X型とします。

軸索障害が主体で、常染色体遺伝形式を取るものをCMT 2型とします。
これらのうち最も多いのがPMP22遺伝子の異常(CMT1A)ですが、多くの遺伝子異常が報告されています。

【症状】

四肢遠位部分(末端)優位の筋力低下、筋萎縮、感覚障害が生じます。
凹み足変形や、筋萎縮のために逆シャンパンボトル型の下肢を呈することがしばしばあります。
深部腱反射(カッケの検査)は消失します。

足関節の背屈が困難なため、垂れ足や鶏歩(鶏のように足を高く持ち上げて前方に投げ出すように歩くのが特徴です)、手内在筋(手の中間部から起始して、手の細かい動きに関係する遠位の筋肉です)の萎縮もよく見られます。

【診断】

末梢神経伝達検査での異常、下肢CTでの下腿筋の容量低下などが見られます。
神経生検での異常も見られますが、最近はあまり行われないようです。

確定診断は遺伝子検査になります。

【治療】

根本的な治療はないため、リハビリテーション、装具の利用、整形外科的な対応になります。

【Dejerine-Sottas病(CMT3)】

乳児期早期発症で運動発達の大きな遅れを呈する末梢神経障害です。
原因はCMT1と同じ遺伝子です。

【トリビア】

シャルコーはフルネームでジャン=マルタン・シャルコーとい、大変有名な神経学者です。
筋ジストロフィーで有名なデュシャンヌに影響されフランスのサンペトリエール病院の神経学部門を確立しています。

彼の教え子の中にはピエール=マリー=フェリックス・ジャネ、ジョセフ・バビンスキー、ジョルジョ・ラ・トゥレットなど有名な神経学者のみならず、シグムンド・フロイトやピエール・ポール・ブローカも一緒に仕事をしています。

シャルコーが亡くなったあとの彼のポジションを誰が継ぐかで争いが起こりました。
バビンスキー反射で有名なバビンスキーは1番のお気に入りでしたが、人付き合いに問題があったせいか、あるいはポーランド生まれが災いしたのか、なることができませんでした。

トゥレットもダメで、シャルコーマリートゥースに名前を残すマリーも若すぎるということで脱落します。
晩年宿敵であったデジェリン・ソッタスで有名なでデジェリーヌもなれず、シャルコーの弟子の中で一番年上のフルゲンス・レイモンドが選ばれました。

彼の死後、デジェリーヌがなりますが、7年で亡くなったため、やっとマリーがチェアになることができたそうです。
ちなみに、デジェリーヌは自分の学生で最初の女性インターンであったクルンプケと結婚しますが、彼女の名前は分娩時の腕神経叢の障害によるクルンプケ麻痺として名前が残っています。

また、シャルコーの生家は現在レストランになっているとのことです。

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