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診療案内 鉄欠乏性貧血

【鉄欠乏性貧血とは】

貧血とは血液が薄くなった状態を言います。
医学的には血中のヘモグロビン濃度や赤血球の数が基準値を下回った場合を貧血と定義します。
鉄欠乏性貧血は貧血の原因で最も多いもので、鉄の摂取が不十分であったり、成長により必要量が増加したり、出血や鉄の吸収不全などが原因で生じます。
母乳栄養では鉄欠乏が起こりやすく、生まれたときの鉄の貯えがなくなる6ヶ月頃から起こりやすいと言われています。また、未熟児は鉄の貯えが初めから少ないために貧血になりやすいのです(未熟児貧血)。
乳幼児早期の鉄欠乏性貧血は脳の発育にも影響する可能性があるので治療が必要です。
思春期、特に女児は生理があるため、また成長期に当たるために貧血になりやすいです。
3歳以上の鉄欠乏性貧血は食事が原因であることは少ないため、消化管などからの出血や吸収不全がないかを調べなくてはなりません。

 

【診断】

12〜35カ月の子どもでは、ヘモグロビン濃度が11g/dl未満であれば貧血と診断できます。
鉄が欠乏していると言う診断にはその他の検査が必要になります。しかし、診断がついたからといってすぐお薬を飲む必要は必ずしもありません。
軽度であれば食事の改善だけでも治療が可能です。

 

【予防】

未熟児の場合は鉄の貯蔵量が少ないために鉄欠乏性貧血になりやすいため、予防のために退院時から鉄剤を投与されていると思います。
満期産で生まれた子どもは6ヶ月頃までは十分な鉄の蓄えがあるはずです。
WHOやアメリカ小児科学会(AAP)では6カ月までは完全母乳を推奨しています。しかし、その後も完全母乳を続けると9ヶ月の時点で鉄が足りなくなってくるリスクが高くなります。
そのため、AAPでは4ヶ月から鉄の補充を勧めています。
人工(ミルク)栄養で育てられている子供に関しては決まりはないようです。
鉄欠乏性貧血を発見するためには、1歳までに一度は血液の検査をすることが必要です。

 

【治療】

適切な食事をとることと、鉄を含んだ薬(インクレミンシロップ、フェロミア、フェログラデュメットなど)が投与されます。
ヘモグロビン濃度が正常値になってもあと6〜8週間飲んでいただきます。多くの場合少なくとも3ヶ月以上お薬を飲んでいただきます。
しかし、適切な食事(鉄を充分に含む)をとらなければ、また再発してしまうかもしれません。

 

【参考にした文献】

BERKOWITZ’S Pediatrics 5th Edition American Academy of Pediatrics

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