ここで問題です。地球から見ることのできる星の中で一番明るい星はなんでしょうか?皆さんはシリウスと答えたのではないでしょうか。
これは引っ掛け問題です。正解は太陽。
地球からみた星のあかりは、「等級」という単位で表されます。これは天文学者ヒッパルコスが肉眼で見える最も明るい星を1等星、やっと見えるくらいの暗い星を6等星と決めたのが始まりです。ヒッパルコスは古代ギリシャの天文学者(BC190〜BC120頃)で古代最高の天文学者と言われています。ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が1989年に打ち上げた人工衛星にヒッパルコスの名前をつけているほど有名な方です。
1等級違うと明るさが2.5倍違います。最も明るい星が冬に見られるおおいぬ座のシリウスであり、マイナス1.46等級です。夏の星で最も明るいのはさそり座のアンタレスで1.09等級になります。星の明るさは地球からの距離などに影響されるため、星そのものの明るさは「絶対等級」という単位であらわします。シリウスは1.4等級、アンタレスはマイナス4.9等級となり、星そのものの明るさはアンタレスの方が明るいことになります。シリウスの方がだいぶ地球に近いということですね。