定義と概念
好酸球の消化管への集積から好酸球性の炎症が生じ、組織が傷害され機能不全をきたす疾患です。指定難病であり、厚生労働省でガイドラインが公開されています。
分類
障害される部位と原因によって下記のように分類されています。
症状・診断・治療
好酸球性食道炎の診断
必須項目
- 食道機能障害に起因する症状の存在
- 食道粘膜の生検で上皮内に好酸球数15以上/HPFが存在(数か所の生検が望ましい)
参考項目
- 内視鏡検査で食道内に白斑、縦走溝、気管様狭窄を認める。
- CTスキャンまたは超音波内視鏡検査で食道壁の肥厚を認める。
- 末梢血中に好酸球増多を認める。
- 男性
*:難病情報センターで記載されている診断基準は2015年であるため、プロトンポンプ阻害薬(PPI)に対する反応を参考項目
に挙げている。
好酸球性胃腸炎の診断(2015年)
必須項目
- 症状(腹痛、下痢、嘔吐等)を有する。
- 胃、小腸、大腸の生検で粘膜内に好酸球主体の炎症細胞浸潤が存在している(20/HPF以上の好酸球浸潤、生検は数か所以上で行い、また他の炎症性腸疾患、寄生虫疾患、全身性疾患を除外することを要する。 終末回腸、右側結腸では健常者でも20/HPF以上の好酸球浸潤を見ることがあるため注意する。)
- あるいは腹水が存在し腹水中に多数の好酸球が存在
参考項目
- 喘息などのアレルギー疾患の病歴を有する。
- 末梢血中に好酸球増多を認める。
- CTスキャンで胃、腸管壁の肥厚を認める。
- 内視鏡検査で胃、小腸、大腸に浮腫、発赤、びらんを認める。
- 副腎皮質ステロイドが有効である。